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【スゴデザ】チョークが石鹸に!カンヌライオンズをとった施策のデザインが完璧すぎる件【CANNES LIONS2018】

スゴデザ

秀逸にデザインされたマーケティング事例を紹介します。

「Savlon Healthy Hands Chalk Sticks」とは?

 「CANNES LIONS2018」の「Creative Effectiveness」で最優秀賞をとったグラクソスミスクライン社の衛生製品(≒石鹸)ブランド「Savlon」のインドでの事例です。

インドの特に中・低所得層の多い地域では手の衛生に関する意識の低さが問題になっていました。インドの食事はカレーを手で食べるのが主流なので、手の不衛生は健康状態の悪化や特に児童においては、それに起因する学力の低下へと影を及ぼしていました。

石鹸ブランドである「Savlon」は上記のような意識の低さ故に市場開拓が思うように進まず、苦慮していました。

このような状況を打破した施策が「Savlon Healthy Hands Chalk Sticks」です。施策自体はとてもシンプルです。インドの学校では生徒1人1人が小さな黒板をノートのように使って授業を受けます。「Salvon」は黒板に書き込むためのチョークに石鹸の成分を混ぜ込みました。元々生徒たちは昼食の前にチョークの粉を落とすために水で手を洗ていたので、チョークに石鹸を混ぜた結果、粉を落とすために水で手を濡らすだけで石鹸を使った手洗いが行われるようになりました。

 

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秀逸なデザインのポイント

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この「Savlon Healthy Hands Chalk Sticks」のマーケティング的な秀逸さは以下の2点と考えます。

既存習慣の上書き 

「Savlon」の抱えていた課題は「如何に石鹸による手洗い習慣を定着させるか」でした。「Savlon Healthy Hands Chalk Sticks」では、そもそも子供たちが日常の中で「何を」水だけで洗い流しているかに着目し、そこに石鹸を混ぜ込むことにより既存の水だけでの手洗い習慣を石鹸による手洗いに上書きすることに成功しました。

ターゲットとなる人の観察から気づきを得て、サービスデザインに落とし込んだデザイン思考ど真ん中の事例と言えます。

エントリー層の獲得

 「Savlon Healthy Hands Chalk Sticks」は学校を中心に広がっていきました。結果として小さい頃から「Salvon」ブランドを使ってもらうことに成功し、学校という強固なプラットフォームから毎年エントリーを確実につかむことに成功しました。