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デザインの視点から商品やサービスのマーケティング事例を考察するブログ

【スゴデザ】主婦目線の商品開発!味の素の「おにぎり丸」が秀逸にデザインされている件

スゴデザ

秀逸にデザインされたマーケティング事例を紹介します。

「おにぎり丸」とは?

「おにぎり丸」は2017年2月に、味の素冷凍食品から発売された「おにぎりの具材のみを冷凍した商品」です。朝のうちに凍ったままの具材を温かいご飯の上にのせて握るだけで、お昼に食べるころには具材たっぷりでボリューム感のあるおにぎりを作ることができます。中身の具はカレーやギョーザ、角煮など、子どもが喜ぶおかずの定番メニューがそろっています。

 

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秀逸なデザインのポイント

この「おにぎり丸」のマーケティング的な秀逸さは以下の2点と考えます。

ニーズ起点での発想

従来型の冷凍食品の新商品開発の場合、チャーハンを凍らせようとか今川焼を凍らせようとか、血迷ってサラダチキンを凍らせようとか「今までに無いものを凍らせよう」という視点で考える人が大半であったと思います。冷凍食品会社の冷凍技術を活かしてやろうというシーズ起点での発想といえます。

一方、おにぎり丸はメインターゲットである「スポーツをする子どもを持つ親の役に立とう」というのが発想の起点になっています。

近年部活動では、活動中に屋外で簡単に食べられるという理由でおにぎりのみ可で、お弁当箱が禁止されているケースが増えています。親の悩みとしてはおにぎりだけでは栄養が偏ってしまいがちなところや毎日同じような具材の使いまわしで罪悪感を抱いてしまうことがありました。

そこで「おにぎり丸」は「味のマンネリ化と栄養バランスの偏りを解消するためにお肉と野菜をバランス良く食べられるようなおにぎりの具」というコンセプトで開発されました。

このようなターゲットのニーズ起点での発想が「おにぎり丸」成功の秘訣といえます。

商品やサービスを作る際には世でデザイン思考と言われているような「生活者がそのシーンで何に悩んでいるか」に共感することが大事なのかもしれません。

体験を落とし込んだ商品

「おにぎり丸」は蓋をめくって、こんにゃくゼリーを出す要領でご飯の上に乗せるだけで、手を汚すことなくにぎることができます。時間のない共働き世帯が増えている中で「手を汚さずに作れる」というのは朝の貴重な時間を保ち、職場で手の臭いが気になることもないというメリットをもたらします。

一方で「にぎる」という工程が残されていることにより、親御さんは冷凍食品を使っているという罪悪感なく、マンネリ栄養不足も解消するおにぎりを作ることができます。

生活者に「焼く」という工程を残す方が手抜き感の解消につながり売れるという冷凍餃子での成功体験がこの発想を支えたのかもしれません。

このように商品やサービスがどのような体験をターゲットにもたらすのかを考え、本質的な悩みが解消されるような形で提供するのが大切です。